日々は恐ろしい速さの時間で過ぎていきました…しかし睡眠は長く取らなければいけないタイプのため睡眠時間が多い…。久々の投稿となってしまいました。
日本の今日ではゴールデンウィークという大型連休も後半です。今日は、こどもの日です。
子ども、というキーワードでパッと思い出してしまう作品があります。2001年のSF映画「A.I」(A.I.Artificial intelligence)です。割と小さい頃に初めて観て以来、強烈なインパクトが脳に刻まれている作品です。
原作はブライアン・オールディズの「スーパートイズ」。(「地球の長い午後」とか、たくさん有名作品を作り上げた人物ですよね…)監督はスティーヴン・スピルバーグ。私が観たスピルバーグ監督の初めての作品だったと思います。
デイビッドは少年ロボット。ロボットなのに純粋にただひたすらに、いつまでも母親からの愛を求めてしまいます。私は、人間はいつも反対に位置するような感情を同時にもつ複雑で弱い生き物だと思っているので(指輪物語でも人間は心の弱さが見えたりしますよね、エルフなどと比べられてしまっては。)「完璧」であるロボットたちが人間の心を手に入れてしまうストーリーは、とても気になるものであります…。
「本物」の生きている人間の子供の真似をするシーンなど、デイビッドのロボ感がとても感じられる動きで(壊れかけるところ。ちょっと怖い。)その直後の、母親の「生きている子供」として心配してしまったけどその治療など本当にロボットで…と服雑な感情をあらわにしている姿が実に「人間」っぽいな…と思っていたりして。人間の複雑さは進む方向や表現の仕方によっては時に危ないことも起こりうると思うのですが、このもどかしさの存在こそ人間の心が働いている瞬間の一つだと感じます…。
ロボットであれ「子供」という存在はどれだけ大切なものか。デイビッド(とその友達のテディと男性大人のロボット、ジョーしかも演じているのがジュード・ロウ)は、ロボットを壊すようなショーを見に来ている人間たちにでさえ「子供」に見えて壊すことに反対され、間一髪逃れるシーンがあります。「子供」というものはまだまだ知らないことがたくさんにあって、大人ほど複雑に物事を考えていない。大人になったら忘れてしまうような純粋さと素直な表現力を持っています。デイビッドは本当に「子供」のロボットだと感じました。
建物や乗り物など登場する場面はSF好きにはテンションの上がるシンプルさとあの少し冷たいような空間。(宇宙人的な最新時代の彼らの姿やコミュニケーションの方法も面白いなと思います)しかし「自宅」は温かい雰囲気が漂っています。特にラストの1日だけの大切なあの時間の中では、とても大切な思い出になることが決まっているような本当に温かい空間に見えました。
ラストシーンは感動してしまいました。「子供」だからこそ純粋に深い愛だけを求めて、それを感覚で理解して実感して、自らの終わりを選んだというような…・(絵本の「100万回生きた猫」も思い出しました。「生きる」ことができたから「死ぬ」こともできたというような)長い旅路だったけど彼の人生をしっかりと生きることができたように思いました。
逆に怖いのは「子供」ではないパターンとか、「愛」のみだけではなく疑う気持ちや憎しみが生まれた場合(その方が「人間」ポイとは思いますが「大人の人間」なのかな…大人とは…。しかし、大人とは子供の延長にあるもののはずetc)だな、とかも考えたりしてしまっていました。
どんな場所であってもどんな時代であっても、子供たちが素直に愛を求めたり夢や明るい未来を信じ続けられるようであってほしいと思います。